元ライバーが語る:TikTokライブで「今日1人のファン」を増やす方法

元ライバーの僕から、これだけは先に言わせて。ライブ配信の勝ち筋は“今日のギフト額”やなくて、“今日のまた来たい”の人数やねん。ギフトは結果や。目的にしてしまうと、配信の空気がどうしても“せかし気味”になって初見さんが置いてけぼりになる。
せやから僕はいつも、「今日の常連候補を1人つくる」ことだけに集中してた。これが半年後、一年後の強いコミュニティに効いてくるで。
なんで「目の前のお金」を追わへんの?
配信の現場に長いことおった感覚で言うと、人は“安心”と“参加感”が揃ったら残る。
「投げて」「今日は少ないなあ」みたいな空気は、短期的に盛り上がることはあっても初見の安心を削ってまう。視聴時間が伸びにくく、コメントも生まれにくい。逆に、名前を呼ばれる・軽く参加できる・次回の約束がある――この3点セットがあれば、人は自然に戻ってくる。戻ってくる人が増えるとコメントが回り、アルゴリズムにも乗りやすくなって、結果として収益が後から付いてくる。
お金を否定してるんやない。育てる順番を間違えへんって話やで。
目標の置き方:KGIは「常連候補を1人」
数字を見るときはシンプルに。
- 新規フォローが何人増えたか
- 最初の3分の視聴時間がどうやったか
- コメントしてくれた人数
- リピート(今週2回以上来た人)
迷ったらこの4つだけチェックして、「今日も1人、常連候補を増やせたか?」を自分に聞く。これで舵がブレへん。

本当に1人を増やすってだけでいいんだよ
配信前:3分で“来やすい空気”を仕込む
タイトルとサムネは「誰が」「何を体験できるか」を一目で。男性ライバーやったら、声の落ち着き×テンポの良さで入り口の安心感を作りやすい。
僕は毎回、冒頭30秒の台本を置いとく。初見さんが入った瞬間、“何すればええか”がわかる状態にしとくのがコツ。さらに、終盤に言う次回予告の一文を先に決めておく。配信は入口より出口で差がつくで。
オープニング台本(30秒)
「初見さん、ようこそ。ここは30秒お題チャレンジ”の部屋やで。
コメントでお題ひとつちょうだい。僕が30秒でやらかすから。
おもろかったらフォローしといて。まずは見てるだけでも全然OK!」
関西っぽさは語尾を少し柔らかくのせるくらいで十分。やりすぎると“演技感”が出るから、自然体+テンポを大事に。
中盤:1対1の“小さな成功体験”を積む
配信の5〜15分は空気の骨格を作る時間。
初見さんを見つけたら、名前+一言のフィードバックをサッと返す。「○○さん初めまして。ええタイミングで来たね。今“30秒お題”中、ひとつ投げてみる?」――提案は軽く、断る余地も残すのがコツや。
参加してくれたら即リアクション+小さな称賛。「それええな!じゃあ30秒でいくで」。もし滑っても、「今のは僕の負けやな。ほな逆お題でお返しさせて」と笑いで借りを返す。
一番大事なんは、“あなたが来たから、この配信が良くなった”を言葉で運営すること。人数が少ない時間でも“濃さ”が出る。
ギフトの扱い:求めず、来たら“面白さで返す”
僕はギフトの要求・嘆き・比較はしないスタンスやった。
もしギフトをもろたら、「ありがとう。おもろさで倍返しするわ。今から“無茶ぶり30秒”追加いくで」――価値で返す文化を育てる。
「ここは“楽しさ”が通貨」って空気が回り始めたら、自然と応援の輪が広がるんよね
企画は“少数精鋭”で回す
たくさん用意するより、2~3個を回し慣れるほうが安定する。
僕の鉄板は「30秒お題」「3択アンケ→結果でトーク分岐」「初見さん質問タイム」。どれも10秒で参加できる形にしとく。画面の向こうで迷う時間が減るから、コメントがスッと流れ始める。
男性ライバーの強みは、落ち着いた進行と安心感。過度なハイテンションに頼らず、**テンポと“間”**で見せたほうがリピートに効くで。
締め:次回の理由を1つだけ残す
最後の60秒は、今日のハイライトと次回の約束をハッキリ言い切る。
「今日のベストお題は“◯◯”。センスつよかったわ。
明日は21:30から“負けたら即終了ゲーム”。
見逃さへんようにフォローしといてな。初見さん、次はあなたの名前呼ばせて。またここで。」
「またここで」は場所=コミュニティ”**を感じさせる魔法の締めやで。
配信後15分:伸びる後片付け(僕のやり方)
終わったらまず、新規フォローに短いお礼(定型文でOK)。切り抜きは**“失敗→成功”の流れが伸びやすい。
当日のメモは刺さった言い回しを3つだけ。台本のボキャブラリーが増えると、中盤の“間”がうまく回る。
数字はユニーク視聴/新規フォロー/最初の3分の視聴時間/コメント人数だけトラッキング。次回の改善点を1つ見つけられたら十分や。
1週間の運用プラン(“常連づくり”特化)
平日は15〜30分を同じ時間帯で固定。時間の約束が常連を生む。
前半3日は「30秒お題+3択アンケ」で参加の壁を溶かす。週の真ん中に学び系の短い深掘り(ポイント3つだけ)。週末は振り返り&次回予告。切り抜きは「初見でも流れがわかる編集」を心がけると効果的やで。
よくある落とし穴と回避
無音が長い問題:初見は不安になる。話題の保険を3つ用意(天気/今日の小さな失敗/ニックネーム小話)。
内輪ノリ暴走:初見が置いてけぼり。「今来た人向け10秒説明」を20分に1回入れる。
数字で自虐:「今日は人少ないな…」は絶対に言わん。代わりに、「濃くいこう。今日の目標は“1人のまた来たい”や」と自分に聞こえる声で宣言する。
コピペOK:導線フレーズ
- フォロー導線:「この企画、毎日まわしてるで。次も一緒に遊ぶ用にフォローしといてな。見てるだけも大歓迎。」
- 初見ケア:「はじめましての方は“👀”で合図だけでも。負担ゼロで楽しませるのが僕の仕事や。」
- 常連化のひと押し:「次回21:30。あなたのコメント、名前出して紹介してええ?」
- ギフトへの姿勢:「ありがとうな。おもろさで倍返しするで。今から“無茶ぶり30秒”追加や。」
- まとめ:今日の“また来たい”が、未来の強さになる
- ライブ配信は、空気を設計する仕事やと思ってる。
- 目の前のギフトを追うより、“安心→参加→称賛→約束”の流れを、目の前の1人に丁寧に渡す。これを積み重ねたら、部屋は静かに、でも確実に強くなるで。
- 数字が伸びへん日ほど“今日の常連候補1人”に集中。結果は、ちゃんと遅れてついてくるわ。